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歴史としての戦後日本

  1. 2010/09/25(土) 22:21:25|
  2. ★★★★★|
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  4. コメント:2
学生時代に購入した本の再読です。
私はめったに昔の本を通して読み直すことはしないほうで、気になったところだけをあとから参照しなおすことのほうが多いです。
そんななか、珍しく本書は3回目の再読になります。
今見ると上下巻で5000円以上するのですが、決して金持ちではなかった学生時代によくもこんな本を買ったものです。

本書は、アメリカ人の日本研究家たちによる、戦後日本の分析を行った論文集です。
もともとは1993年にアメリカで出版されたものを、邦訳して1997年に日本で発売されたものだそうです。
訳者解説によると、本書に寄稿している方々はアメリカ人といえども、日本語を自由自在に使いこなすそうでして、内容も日本語原典を駆使した重厚なものとなっています。

戦後のようなごく近い過去について日本人が述べようとすると、どうしてもその人の政治的立場が反映した文章となってしまいます。
そのため、場合によっては日本人の民族的優等性を強調したものとなってしまったり、または戦争で受けた被害を過大評価して述べたりするものも少なくありません。
もちろん、アメリカ人であろうともなんらかの政治的立場は存在するのですが、それでも本書では日本人が書く文章にはない冷静(または冷徹)な視点があるように思います。

よく言われるのは、殴ったほうは殴ったことをすぐに忘れるが、殴られたほうは殴られたことをなかなか忘れない、ということです。
日本人は、第二次大戦においては殴ったほうでもあり、また殴られたほうでもあるのですが、日本の世論においては殴られた経験ばかりが強調されていることが、本書でも述べられています。
ただし、「だから日本人は謝罪するべきだ」といった価値判断の議論に踏み込まずに、その事実を中立的に述べているところが外国人ならではだと感じます。
(アメリカ人も「殴ったほう」の人間ではないか!といった反論もあるのでしょうが…。)

また、部落差別などの半ばタブー視されてきたことがらについても、他の事象と同様に一つの分析対象として接することができることも、外国人の特権のように感じました。
ただし、本書は「著者が外国人という自らの立場を最大限利用した」というだけのものではなく、著者たちの日本についての理解も深く、単純な日本分析の本としてみてもとても質の高いものだと思います。

日本人である私から見て、的外れだと思えるような箇所も当然ありますが、それでも十分読むに値する本だと思います。
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バウハウス―その建築造形理念

  1. 2010/09/20(月) 00:15:41|
  2. ★★★|
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ジュンク堂大阪本店にて購入しました。
鹿島出版会の本は今までにも何回か購入したことがあるのですが、SD選書のシリーズは初めてです。

「バウハウス」の単語はこれまでにも色々な機会に聞いたことがありますが、いまだにその理念はよく理解できません。
辞書的な説明ですと、20世紀前半にドイツで活動した建築学校、ということになるのでしょうが、その影響についての価値付けがまだ十分行われていないのかもしれません。

本書では、バウハウス草創期からナチスにより閉校させられるまでの歴史が、活動理念の移り変わりとともに解説されています。
当時まだ30歳にもならない若手研究者にとって、初めての単著ということで、相当張り切って書いたもののようですが、余計なところで文章が装飾的でわかりにくくなっています。
それでも、豊富な図版をもちいて体系的に解説がなされているので、専門知識がなくてもそれなりに理解可能な本であるように思います。
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アフリカの植民地化と抵抗運動

  1. 2010/09/17(金) 22:21:31|
  2. ★★★★|
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ジュンク堂大阪本店にて入手しました。
ほかの本を持ってレジに向かう途中、たまたま本棚の横を通るときに目に入ったのを、中身を見ずに購入したものです。
数年前にアフリカの低開発状態について興味を持ってから、アフリカの歴史、経済に関する本を少しずつ読んでいるのですが、今でもよくわからないことばかりです。

なぜ、南アジア諸国が発展しつつあるのに対して、多くのアフリカ諸国は貧困の底に沈み続けるのか?
なぜ、アフリカの多くの地域においては、人口密度が極端に低いのか?
なぜ、ジンバブエのように一旦順調な経済発展を見せたのに、急速に沈む国が現れるのか?
なぜ、救いがたいほどの多言語状態に陥ったのか?

回答としては、緑の革命がおきなかったこと、ヨーロッパから地理的に近かったために真っ先に搾取されてしまったこと、土地所有制度の未整備などが挙げられるのでしょうが、それだけではないように思います。
おそらく明快な一つの答えがあるのではなく、多くの要因が積み重なって今の状況が発生しているのでしょう。
もしそうだとしたら、アフリカの状況を理解するには個別の議論をできるだけ多く知ることしか方法がないのかもしれません。

本書では、ヨーロッパ列強による植民地拡張時期における、アフリカ側の抵抗運動について、特にそのリーダーたちに焦点をあてて紹介されています。
ズールー王国の伝説的な王シャカ、フランスとイギリスの不仲を利用して生き残りを図ったメリナ王朝の宰相ライニライアリヴォニ、ムリーディヤ教団の始祖としてフランスと対峙したアマドゥ・バンバなど…。
彼らに共通するのは、圧倒的な火力を持つ異国人にどう対処するか、それぞれが苦慮しながら方法を模索し続けたことです。
はかなくも、その多くの試みは失敗に終わり、エチオピアを除いたアフリカ大陸はすべて植民地化の道を歩むことになりました。

この価格にしては、本書に収められている情報量は大変充実しているように思います。
贅沢を言えばもう少し地図などの図版を充実してほしいとも思いますが、それでもこれほどの「お買い得」な本はそうそうありません。
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幸福な食卓

  1. 2010/09/14(火) 23:21:41|
  2. ★★★|
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こちらもジュンク堂で購入しました。
瀬尾まいこについては、寡聞にして名前すら知りませんでした。
いくつかの作品が映画化されている、かなり有名な方なのですね…。

本書は、一風変わった家族の物語です。
・過去に自殺未遂経験があり、突然父を辞めると宣言した父
・父の自殺未遂事件以来家にいると精神が不安定になるので、家をでて活き活き生活する母
・元天才児ながらも、突然大学を辞め農業で身を立てる兄
・まじめで比較的常識人の妹(主人公)

主人公以外はひょうひょうと自由に生きているように見えますが、父と兄は実際は人知れないところで世界と自分との間にずれを感じてしまったようで、これが彼らの生活スタイルに影響を与えます。
母が家を出た原因は父の自殺未遂だということもあり、決して順風満帆の家族ではないのですが、それでも絆は失われておらず、力を入れすぎずに支えあう様子が描かれます。

最後に少しボリュームのある重めのエピソードが配置されていますが、基本的には細かいエピソードの集合体のような本だと感じました。
心に微妙なずれを抱えながらも生きる人々の物語…というのはほかにもありますが、この本では「家族」による心の再生に焦点が当てられることに特徴があるのでしょうか。
テーマは重いのですが、文体はあくまでも軽く、それほど深刻にならずに読めると思います。
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シャーロック・ホームズの冒険

  1. 2010/09/14(火) 22:56:34|
  2. ★★★★★|
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ジュンク堂の大阪本店で購入しました。
シャーロックホームズは、小学生のころにいくつか読んだきりだったと記憶しています。
当時は読解力が低かったのもあって、トリックがいまいち理解できなかませんでした。
推理小説は読書初心者にも向いている、というようなイメージがあったりもしますが、文字情報から部屋の間取りなどを想像しなければならないのでむしろかなりの理解力が必要なように思います。

本書は、シャーロックホームズシリーズの中でも評判の高い12の物語を収めたものとのことです。
「赤毛連盟」を除いては全く筋書きを知らない作品ばかりだったので、個人的にはとても楽しめました。
たしかにご都合主義すぎるところもあるのでしょうが、それでもトリック自体はどれもよくできているように思いました。
一つ一つの話は短く、それほど気合を入れずとも読むことができます。
そのぶん、人物の描写はややあっさりしすぎているようにも思いますが、これは好みの問題かもしれません。
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いつか、どこかで

  1. 2010/09/11(土) 21:16:01|
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久々のクレストブックです。
例によって、書店の本棚に並ぶ作家の名前が全くわからないので、表紙をみて気に入ったものを選びました。

本書は、31年ぶりに再会した男女の不倫の物語です。
男性側、女性側両方とも、配偶者と子供が既におりながらも、金銭的な苦境に陥ったり、愛情の面でも満たされない毎日を過ごしていました。
そのような状況で、偶然再会した二人の気持ちがコントロールできなくなる過程が描かれます。

ただ、残念ながら、私には全く相性があいませんでした。
幸い、それほど込み入った文章ではないのと、分量が多くないことにより、読み進めるのが苦痛だというほどではありませんでしたが…。
作中ところどころに70年代、80年代アメリカの流行歌が挿入されるのですが、日本人の私にはこのあたりもピンと来ません。
ひさびさに、大幅にはずしてしまった一冊でした。
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黒猫 / モルグ街の殺人

  1. 2010/09/10(金) 21:54:42|
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エドガー・アラン・ポーについては、名前だけは「江戸川乱歩」からのつながりで知ってはいたものの、寡聞にしてどういった作品を残しているのかについては、ほとんど知識がありませんでした。
「モルグ街の殺人」は、子供のころ読んだことがあるのですが、その際もポーの作品だという意識は全くなかったようです。
色々調べてみると、まさに近代小説の父といってもよいような存在なのですね…。

本書には8編の短編作品が収められていますが、「モルグ街の殺人」と著者によるエッセイ1編を除くと、これらは全て恐怖を題材としたものです。
恐怖といっても、外界からの刺激に基づく恐怖ではなく、自らの心の奥底から不可解に発生するものに焦点が当てられているように感じました。
特に理由もなく自らの犯した殺人を隠しておけなくなったり、活きたまま埋葬される恐怖におびえたり…。
もう150年以上前の作品ですが、現代でも十分エンターテインメントとして通じる面白さを持った作品だと思います。

「モルグ街の殺人」については、既にあらすじを知っていたのが個人的には残念でした。
改めて読み直しても、十分に練られた推理小説のように思います。
これが、シャーロックホームズなどがはやる半世紀前の作品だというのが信じられないくらいです。
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洗練と粗野―社会を律する価値

  1. 2010/09/10(金) 21:15:49|
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ジュンク堂大阪本店の、文化人類学コーナーにて発見して購入しました。
目次を見ると、むしろ何をもって名誉なことであると判断するかについての、文化による違いに着目した文章が多いように思いましたが…。

粗野な行動といえどもそれ相応の作法があるように思います。
たとえば、私が住んでいる関西圏においては、妙な巻き舌で相手を威嚇することにより自らを粗野に見せようとする人がいます。
また、電車の中でことさらに足を広げて座席に座ったり、服を着崩してみたり…彼らは彼らなりに「洗練」を目指しているように思います。
洗練された粗野、という表現があたっているのでしょうか。
その意味においては、「洗練」と「粗野」は一概には対概念とは言いがたいものに思えます。

本書は、「洗練と粗野」という題目に応じて、20人ほどの各分野の専門家が書いた文章を集めたものです。
こういった本にありがちなことなのですが、まさに玉石混交でして、とくに「石」の文章はかなりひどいものもあるように思います。
たとえば、昔は皆礼儀を守っていてよかった、現代社会においては礼儀が失われつつあるのはけしからん、といった、数千年前から繰り返された内容であったり…。
また、全体的に事例の紹介にとどまっているものも多く、深い考察がなされた文章はごく限られているような印象も受けました。
各著者に与えられたページ数がかなり少なかったようなので、やむをえないことなのかもしれませんが…。

「洗練」「粗野」とは何か、といった定義の部分からコンセンサスがとられていないのもあって、焦点のぼやけた本になっているように思えます。
この本を一冊読み通す人はほとんどおらず、自分の興味のある文章のみを抜き出して読む、といった方が多いように感じました。
あまり、お金を出して買うべきものではないのかもしれませんね…。
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フライデーあるいは太平洋の冥界 / 黄金探索者

  1. 2010/09/06(月) 00:14:31|
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相変わらずゆるゆると、順番に読んでいる世界文学全集です。
分量の割りにそこそこ安いのはいいのですが、持ち歩いて読むにはむいていないですね…。

「フライデーあるいは太平洋の冥界」のトゥルニエは、完全に初見です。
本作はロビンソンクルーソーを翻案したもので、よりロビンソンが内省的に描かれています。
解説を読む限りでは、著者の哲学を盛り込んだ内容だそうですが、あまりにも内向きな思考というか、複雑な自省が多く…。
読んでいてどんどん気持ちが沈んでいくのが相当辛いです。
後半、他者としてのフライデーが現れてからは面白くなるのですが、そこまでを読み進めるのは、けっこうな気力が必要な作品です。

「黄金探索者」のル・クレジオは、以前読んだ「調書」があまりにも相性が悪く、今回も最後まで読みきれるか懸念しながらのスタートでした。
本作は、幸せな少年時代をすごした主人公が、親の破産により思い出の家、土地を奪われ、わずかな情報をもとに海賊の財宝を探索する…あらすじだけを書けば荒唐無稽ですが、著者の実在する親類をモデルにした物語のようです。
孤独の中で、幼いころの思い出をよりどころに財宝を探し続ける主人公は、島の自然と一体化するような体験により救いを得る…のでしょうか?
物語自体は展開も面白くて読むのも楽しいのですが、著者が何を言いたいかということまでは、私には読み取ることができませんでした。

両方とも、妙に哲学的な話なので、読んでいるとどんどん疲労を感じてしまいます。
「フライデーあるいは太平洋の冥界」では火薬の大爆発、「黄金探索者」ではサイクロンによる破壊により、主人公の人生が一度ゼロに戻るという共通点があります。
ただし、「フライデーあるいは太平洋の冥界」では主人公は決して以前の自分に戻ろうとしないのに対して、「黄金探索者」では常に破壊以前の思い出を保ち続けます。
過去に対するスタンスの違いですが、どちらが好みに合うかは読む人によるのでしょう。
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