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電波男

  1. 2013/07/31(水) 00:36:04|
  2. ★★★★|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
タイトルは、映画にもなった「電車男」のパロディです。
「電車男」において、主人公のオタク青年が電車でたまたま出会った女性に脱オタクさせられることに、著者は憤ってこのようなタイトルをつけたようです。
2005年の発売当初に一回読んだことがあったのですが、久々に再読してみることにしました。

以下、著者の主張に沿って要約します。

もともと日本においては結婚はお見合いによるものが主流でした。
その後、欧米から恋愛の概念が輸入されましたが、最初のうちは依然として上層階級はお見合いで結婚し、恋愛と言うのはどちらかといえば社会からはみ出たものに属する概念でした。
しかし、戦後の経済成長と恋愛の地位向上があいまった結果、日本では「恋愛資本主義」が産まれたのです。

「恋愛資本主義」の原理は簡単です。
容姿に劣る男性(キモメン)は、金の力で女性から性の供与を得ることができます。
容姿に秀でた男性(イケメン)は、女性から性と金の両方を得ることができます。
これにより、キモメン→女性→イケメンという金の流れが発生し、その逆方向に性の供与の流れが発生します。
(この状況を象徴するのが「援助交際」という単語です。)
結果、未婚女性が男性に期待する年収と、実際の未婚男性の年収のあいだには大きなギャップが発生することとなりました。
これは、一部のイケメンが多くの女性からの性の供与を独占する変わりに、大多数の男性にとっては性が高価すぎて得られないようになったことを意味します。

容姿も財力もない男性は、このサイクルに寄与できません。
そこで、彼らは現実の女性から目を背け、アニメや漫画といった二次元の世界に安寧を見出してきました。
この状況に「NO」を突きつけたのが酒井順子の「負け犬の遠吠え」です。
「負け犬の遠吠え」は私は読んだことがないのですが、「電波男」著者によると
30歳独身女は、男と結婚できなかった。
したがって、負け犬だ。
しかし、30代の独身男は、まともな男じゃない。
例えばオタクだったりする。
男がダメだから私たちが結婚できないのだ!
という内容だそうです。
これに対して著者は、若くて女性としての商品価値が高かった頃に、恋愛資本主義におけるキモメンとイケメンによる金と性の流れの仲介役を担った女性に、あるいは反発し同情します。
恋愛資本主義というまやかしからすでにオタクは脱出したにもかかわらず、「負け犬」たちはいまだそこに囚われているからです。

キモメンが女性に相手される数少ないパターンとして、著者は「池鶴関係」なるものを挙げます。
これは「男女7人夏物語」における池上季実子と片岡鶴太郎の関係を意味します。
美人である池上季実子は、キモメンである片岡鶴太郎を気に入り、何かと頼ったり話しかけたりします。
しかし、片岡鶴太郎が池上季実子に対して
あなたにとって僕は男じゃないかもしれないけど、僕にとってあなたは女なんだ!
と恋愛感情を示したとたん、池上季実子は片岡鶴太郎のもとを去っていきます。
このあと、明石家さんまが片岡鶴太郎に放った言葉
最初から、無理やったんや!
がこの「池鶴関係」を象徴します。
つまりは、女性は大の大人であるキモメンを男性として見ずに、ペットのような扱いを続けていたのです。
そのため、キモメンは仲良くなった女性に恋愛感情を見せると、いきなり態度が豹変して「そんなつもりじゃなかった」と困惑顔で言われ、当のキモメンも驚きと悲しみを受けるのです。
著者は何度もこのような目に遭ったらしいです。
そして、負け犬たちがオタクたちと築き上げたいのは、この「池鶴関係」でしかなく、恋愛関係ではないと主張します。
オタクは負け犬を恋愛対象として崇拝するべきなのですが、負け犬はオタクをペットとしてしか扱わないということです。

このような扱いを受けると、現実世界に対する怒り、恨みがたまります。
悪くすると津山事件のように大量殺人に走るのですが、ここで著者が提唱するのは二次元の世界に癒しを求めて、現実から脱却することなのです。
二次元の世界にお金を使った場合、作り手もオタクの場合が多いのでオタクからオタクへと金が循環し、ここには搾取は存在しません。
そして、二次元では自らの妄想力しだいでいかなる幸せをも得ることができるのです。
一般的には現実のほうが二次元よりも高尚だという先入観がまかり通っていますが、このような偏見を脱して二次元とともに生きると決意すると、世の中に癒しを見出せるのです。

以上が大まかな本書の内容です。
(これでもかなり内容を省いた結果です。)
男性からの視点しか存在しない本ですが、ある意味完成されつくした世界観を提示しているように感じました。
もちろん、男女の人間関係は上記のような地獄のようなものばかりではないのでしょうが、一部では真理をついているのかもしれません。
この「一部」を多いと見るか少ないと見るかによって、本書への共感度合いが変わるように感じます。
つまりは、恋愛資本主義に毒された関係が世の男女関係の大半であると思う人にとっては、本書への共感度合いは高いものなのでしょう。
少なくとも、多くの人が見て見ぬふりをしているある一面を極端にクローズアップした内容ではあると思います。

文学作品や哲学、勿論アニメや漫画から大量の引用が成されており、著者の知識の広さを感じさせる一冊です。
「そうはいかんざき!」など、時代を感じさせるフレーズが多々ちりばめられていますが…。

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