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帝国日本と朝鮮・樺太 (コレクション 戦争×文学)

  1. 2013/08/18(日) 22:57:33|
  2. ★★★|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
狙ったわけではないのですが、閣僚の靖国参拝関連で韓国から非難が殺到しているさなかに読み始めました。
朝鮮と樺太は別個の話題のように見えますが、実際は朝鮮人が重用されて樺太で働かされるケースが多かったようで、その意味においては樺太問題も朝鮮との関連性が高いのです。

張赫宙の「岩本志願兵」や鄭人沢の「かえりみはせじ」などの、いわゆる「親日朝鮮人」による戦時中の作品は、今読むと本当にひどい内容です。
朝鮮人であっても努力により高潔な大和魂を身につけることができること、そして、彼らが朝鮮人にも志願兵制度、徴兵制度が適用されたことに大喜びしているさまが描かれます。
つまりは、朝鮮人も日本人と同等の戦力として、お国の役に立てる、ということです。

一方で、梶山季之の「族譜」は創氏改名にまつわる偽善性が描かれます。
物語に登場する朝鮮人の地主は親日的な考えの持ち主で、兵士のために大量の食料や金銭を自ら供出した経歴を持ちます。
しかし、先祖に申し訳が立たないと言う理由から、創氏改名だけは拒否し続けます。
創氏改名は名目上は個々人の自由意志に基づくものとされているのですが、実際は強制に近いものであり、改名により日本人扱いして徴兵等の日本人並みの義務を負わせようという思想のものでした。
この物語でも、政府は地主の娘の婚約者が拷問されたり、孫が学校でいじめられたりと、さまざまな嫌がらせによって地主に改名を強います。
結局、かつては自らの身を捧げようとまで思っていた「日本」によって親類の生活が破壊された末に、地主は自殺してしまいます。
一貫してこの話は、当局のやり方に疑問を持つ創氏改名担当の役人の目から語られますが、彼自身、最後には嫌気が指して役所を退職してしまいました。
朝鮮人も日本人と同等に扱ってやろう、という美名?のもとに、朝鮮人に日本人並み、時にはそれ以上の義務を負わせる偽善に対しては、多くの人はひどく鈍感だったようです。

ただ、それ以外の掲載作品では後藤昭生の「一通の長い母親の手紙」を除いては、それほど私の好みに合ったものはありませんでした。
吉田知子の「豊原」は戦後の樺太からの引き上げに関する悲惨な経験を書いたものですが、引き上げの事情以上に母親が相当おかしな人だったようで、戦争の悲惨さ以上に母親が印象的です。
今でいうネグレクトに近い状態だったようです。
あとは、冬木憑の「和人」は樺太に住む原住民少女と、日本人の若い学者との恋物語ですが、よくあるロマンス物にしか見えず…。
ちょっと期待はずれの一冊です。

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