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生物時計をさぐる―私とゴキブリと

  1. 2013/08/25(日) 06:48:18|
  2. ★★★★|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
古本市で偶然出会って購入したものです。
背表紙には副題の記載がないので、「私とゴキブリと」の部分は手に取るまでわかりませんでした。
生物から見た世界」を読んで、体内時計について多少の興味があったので購入してみたものです。

俗に、人間には体内時計が備わっていて、常に明るくて温度変化もない環境におかれたとしてもほぼ24時間周期で活動する、と言われたりします。
この、自然に備わった体内リズムのことを専門用語で「サーカディアン・リズム (circadian rhythm)」と呼びます。
「circadian」というのはラテン語のcirca(約)とdies(一日)の合成語で、「約一日」という意味となるそうです。
人間を含めて多くの生物は、24時間サイクルで光の当たる外の環境に置かれた場合には、ぴったり24時間の周期で活動と不活動をくりかえします。
しかし、光量の変化が全くない環境では、24時間からわずかにずれた体内リズム(サーカディアンリズム)に従うことになります。
あるノネズミでは23時間33分、あるゴキブリでは23時間45分、また別のゴキブリでは24時間10分というように、その値は24時間に近いながらも生物種によりばらつきます。
カサノリやゾウリムシなどの単細胞生物、オジギソウなどの植物でもサーカディアンリズムの存在が証明されており、かなり広範な生物がもっている共通の能力のようです。

著者は本書を書く10年以上前に、ゴキブリを用いてこのサーカディアンリズムがどういった機構で発生するのかについて研究を、アメリカ、ドイツ、イギリスで行いました。
そのいきさつを、当時を思い出しつつ述べたのが本書です。
ゴキブリは昆虫の中でも生命力が高く、しかも体積が大きいために実験のための手術が容易だと言う利点があり、この種の実験によく用いられるそうです。
(頭を切り落としても1週間〜10日程度は生きるようです。)
著者は相当手術の腕に自信があるようで、たびたび共同研究者の不器用さについて嘆いていました。

そもそも、著者がわざわざ外国に渡ってこの種の研究を行った理由は、ご主人の「転勤」にあります。
ご主人は核融合を専門とする物理学者で、のちに京大教授となるのですが、若い頃にはポストを求めてアメリカやヨーロッパを転々としました。
著者はご主人の転勤が決まるたびに、転勤先でポストを見つけて同行したのです。
その最初の引越し先であるアメリカでたまたま出会ったのが、サーカディアンリズムでした。
昭和30年代という、海外で働く人も女性の研究者も今とは比べ物にならないくらい少ない環境にしては、驚くべき行動力だと思います。

また、サーカディアンリズムに関する研究の先人や、同時代の競争相手などに対する批判的な発言をみても、著者はかなりはっきりとした方のようです。
著者が帰国に伴ってサーカディアンリズムから足を洗ったのち、10年たってもそれほどの進展がないところを見ると、この分野は学会では傍流なのでしょうか。
現在はさらにそこから35年の時を経ていますが、果たしてどの程度のことが明らかになっているのかは興味があるところです。
内容が内容なだけに、疑似科学的な言説も多そうではありますが…。

過去のいきさつなどは読み物としてすらすら読めますが、専門的な内容の部分は図を見比べて何度も読み返さないと理解しづらいと思います。
実験結果からの理論立ては、まるでパズルを解くようで説得力があるように感じました。

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